🟠 テオ・アンゲロプスというギリシャの映画監督の美しい作品 「シテール島への船出」 の、もうすぐ終わりというあたりの場面だが、 雨がいかにも上手に使われていて、 私はほとんど傘を刺しながら観ていたい気持ちになった。 (雨の中を走る男たち 一部 須賀敦子著) 🟠 この文章にインスパイアされ、 シテール島への船出を再見しました。 雨の場面はどうだったのか探しました。 豪雨でした。 オデュツセウスの帰還 32年に及ぶロシア亡命からギリシアに帰国した 元パルチザンの老人スピロスである。 夜明けの霧の中で、浮き桟橋に立つ老夫婦は、 みずから綱をとき、海の向こうへ流れはじめる。 それは絶望の行為ともとれるが、 しかし現代、もしシテール島への船出があるとしたら、 カテリーナのような愛しかないのではないか、 と筆者には読める。(一部) (辻 邦生 作家) 🟠 テオ・アンゲロプス フィルモグラフィー 全16作とあります。 アンゲロプス作品は 群像の描き方に特徴・魅力があると思います。 私は、まだ10作品しか見ていません。 これからも唯一無二のアンゲロプス作品をできるだけ、 見たいなと思います。 🟠余談 「ネスカフェ」 自分でやるからと叫ぶアレクサンドロスの妻。 シテール島への船出の中で 港の屋台でコーヒーを注文するシーンがあります。 昔々ギリシャのcafeに行った時のことを思い出しました。 コーヒー(トルココーヒー)にする? ネスカフェにする? 2択でした。 私は、ネスカフェは選びませんでした!